相場なんか見てません

年収200万の俺が不動産オーナーになった経緯とこれから

越境者たち

越境者たち

とあるアニメにこんな名言がある。「戦車道には、人生の大切な全てのことが詰まってるんだよ」

戦車道を他の言葉に置き換えても、たいてい成立しそうな名言だ。

ではこれはどうだろう。「ギャンブルには、人生の大切な全てのことが詰まってる」

なんか納得しにくいね。

今回はギャンブル小説の怪作。『越境者たち(上下巻)』を紹介する。

確かにギャンブルには、人生に大切なことが色々と欠けてるような気がする。

ギャンブルにはまり、破滅する人々を描いているのだが、なのに、なぜか? 感動してしまう不思議な物語。それが『越境者たち』

著者の森巣博は本物のカジノギャンブラー。レジャーではなく、カジノの儲けで生活している常打ち博徒。

Wikipediaによると、25年間カジノに通い続けているというが、古いプロフィールなので実際はもっと長いだろう。破産しているという話は聞かない。

森巣博の別の作品に『神はダイスを遊ばない』という本があり、そこには「自分は負けの多いギャンブラーである」としつこく書かれている。それでもカジノで長年生き残り続けているのは何故か?

「タマの上げ下げに秘訣がある」と説明されている。

ゲームの勝率は低い。負けの方が多い。しかし、掛け金の調整が上手いのだと氏は語る。

負けているときはじっと耐える。掛け金を小さくして打たれ越す。

勝ちのチャンスが巡ってきたときを見極め、そこで掛け金を一気にあげる。これだけがカジノで生き残る秘訣だと。

何かに似てないか? 俺たちの目指す損小利大の投資と同じだ。

そもそもカジノのゲームとは、確率的に胴元が儲かるように出来ている。

長く続ければプレイヤーはいつか必ず負ける。

だが、勝率を操れないプレイヤーが唯一自由になる要素。それが掛け金の調整というわけだ。

負けは小さく、勝ちは大きく。まぁ、なんだ。未来予測できないんだけどなギャンブルも。

森巣博は、プレイヤー技能が勝ち負けに大きく影響するギャンブルしかしない。

運の要素だけで勝ち負けが決まる、ルーレットやスロットには手を出さない。

人と人が勝負するゲームを好むとのこと。バカラ牌九(パイガオ)がそれだ。

つまり、森巣博は未来を予測しているのではなく、相手の顔色や調子を読んでいるのだろうね。

まあ、このくらいなんだけどね。投資に参考になりそうな要素は。

この小説を紹介するのは、単に面白いから。

雑談や脇道にそれまくる本書だが、メインとなるエピソードはマイキーという名の資金洗浄屋の話。

森巣博がいつものようにカジノで活動していると、鮮やかに勝って颯爽と帰っていく若者を何度も見かけるようになる。

若いのに素晴らしい打ち手だなと感心するわけだ。勝ち負けにこだわらない自然体の賭け方、勝っても負けても一定時間で帰っていく見切りの良さ。天才に違いないと。

やがてその秘密が分かる。彼は自分の金でギャンブルをしていなかった。カジノを通じてマネーロンダリングをしていたのだ。依頼主のやばい金を預かり、カジノでチップに変える。ちょっとカジノで遊んで、適当に引き上げて現金に換金して帰る。やばい取引で得た金を一度カジノを通すことで、資金の流れを追跡不可能にするのが目的。

マイキーは、カジノで勝っても負けても、依頼主から手数料を貰える仕事をしていたってわけ。自分の懐が痛まないから、理想的なプレイが出来ていた。

カジノで勝ちが多くなったマイキーは、やがて自分は天才だと自覚するようになる。資金洗浄の仕事をやめ、自分の金でギャンブルをするようになっていく。果たして彼の運命は……

マイキーの話以外にも魅力的なギャンブラーが多数登場する。ウルフという移民ギャンブラーの話が特に熱い。乾坤一擲の勝負をかけるマイキーを応援するため、ウルフはカジノではあり得ないパフォーマンスをする。それを見ている他のギャンブラー、カジノの従業員、本書を読む読者までもが熱い気持ちに感化されていく。

癖のある文体ではあるが、先入観を捨て本の世界に飛び込んで欲しい。

「本書には、人生の大切なことは詰まってないが、謎の感動に浸れる」

投資ブログとしては、本書を紹介するのは間違っているかもしれない。だが、ギャンブル小説の中から、投資でおちいってはいけない要素を読み取れるようになれば有益かもしれないね。

まあ、小難しいことは考えず、単純に面白い娯楽小説ですよ。俺は3回くらい読み返してる。

中古が安いしね。興味があればどうぞ。


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